ー第20章ー 爆弾投下します

2025/9/24

サイレント・イブ  2022年12月19日(月)の朝、私の妻サイコは2度目の失踪をした。とはいえこれから、クリスマスに年越し、お正月にみーとくんの誕生日とイベントが続くので、サイコはそのうち帰ってくるだろうと軽く考えていた。案の定12月22日(木)には、以前からお願いしていた約束があったので、サイコは仕事を早く切り上げて保育園のお迎えをして寝かしつけをするまでやってくれた。その日の夜遅く私が家に帰ると、サイコはみーとくんと一緒にベッドで眠っていた。よかった。朝起きたらサイコに感謝の気持ちを伝えよう。  朝 ...

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ー第19章ー 親愛なるサイコへ殺意をこめて

2025/9/24

占い師スピ子が訴えたらサイコは確実に逮捕なのか?  サイコは朝9時に渋谷区の家を出て、台東区にあるスピ子の仕事場に行き、深夜に帰宅する。土日もあまり関係ない。おそらく労働基準法には違反しているが、台東区の親族経営の小さな会社なのでグレーゾーンなのだろう。深夜というのは0時から3時くらいのことだ。最終電車の地下鉄やJRを使えば、深夜1時か1時半くらいには帰って来られるが、サイコの脳内時計は狂っている。夜中の2時3時に帰ってきて、自分の衣服を洗濯して、何やら食べて、朝を迎えている。だから私と息子のみーとくんは ...

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ー第18章ー 記憶喪失の妻との新生活が始まった

2025/9/9

サイコが名前を変えて帰ってきた  失踪していた私の妻サイコが無事発見された。明るい表情だったのにはホッとしたが、私は心の底から喜べなかった。サイコは記憶喪失となり、自分が生んだ息子のみーとくんのことをまったく覚えていない。ゾッとする。そしてなぜかサイコは、私と会う前日に私とのLINEルームを退出し、どういうわけか「えっちゃん」という別名で入室してきた。  これまで散々私に悪態をついきた妻サイコ。妹のバリ子に操られたのか、バリ子と共謀したのか、結婚記念日をメチャクチャにして、私を失意のどん底に突き落とした。 ...

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ー第17章ー これまでのあらすじ

2025/9/7

ー第0章ー エンディングに向かうにあたり  自分で書いておきながら今さら言うのもなんだが、第1章から第16章まで読み進めるのはなかなかの時間の浪費を伴う。自分自身途中で過去と向き合うのがツラくなって、第6章あたりで1年半筆を休めた。第1章を読んだら全部すっ飛ばしてエンディングが気になる人も多いのではないだろうかと思い、第17章は「これまでのあらすじ」とした。自分で書くのは面倒くさいので、ChatGPTクンにあらすじをお願いした。「ノンフィクションのドキュメンタリーだけどエンターテインメント色を強く出して、 ...

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ー第16章ー 失踪した妻の潜伏先は? 

2025/8/27

エンゲル係数を考えない女  2月9日から姿を消した妻・サイコは未だ現れない。サイコが行方不明になったといっても、みんな仕事で忙しいので捜すようなことはしない。どうせ神奈川県の実家に帰っているのだろうと、みんな思っている。私はサイコから「実家には絶対に連絡するな!」と厳命されているので、サイコの両親に確認することは出来ない。私は「警察に届けた方がいいんじゃないか」と占い師スピ子に相談したが「警察に言うと、うちの会社を調べられるから私の仕事に支障が出ちゃう。絶対ダメ」と言う。「じゃあ弁護士に相談しようかな?」 ...

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ー第15章ー Majiで失踪する5秒前

2025/8/27

サイコルール爆誕  2022年2月7日(月)10泊11日のアパホテル生活を終えて、サイコとみーとくんが暮らす台東区のマンションで、今日から私も一緒に暮らすことになった。このマンションの間取りは、玄関を開けると真っ直ぐ伸びる廊下の左手にバスルームとトイレがあり、その先の左手にキッチンと小さなダイニングがあり、廊下の突き当りがリビングである。そのリビングの扉に張り紙があった。  この張り紙があることは、この日の早朝に送られてきたLINEで予告されていた。  新型コロナに関して非常に神経質になっているサイコが同 ...

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ー第14章ー アパ生活

2025/8/27

アパホテル生活  2022年1月28日(金)から私ひとりのアパホテル生活が始まった。荷物は機内持ち込みサイズのスーツケースと、結構デカいデスクトップパソコン本体である。台東区のマンションから徒歩1分圏内にアパホテルがあったので、荷物はマンションの台車を使って移動した。パソコンのモニター代わりにテレビを使うとどうなるのか、これまで試したことがなかったのでやってみると、これはてんで使えたものではない。画面は映るし操作もできるが、使い勝手が悪くて作業時間が10倍かかる。アパでやるのはメールチェックくらいにして、 ...

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ー第13章ー リフォーム大作戦

2025/8/27

ペヤング超大盛事件  2022年1月1日(土)元旦。私の妻サイコは「スピ子の福袋の初売りがある」と言って、上野アメ横にある占い師スピ子の妹グミ子のお店へ仕事で出かけて行った。三が日は初売りで大忙しで、家族で一緒にはいられないという。私は息子のみーとくんと渋谷区のマンションへ帰った。その夜、サイコからLINEが送られてきた。  私は年明けからハッピーではない。miumiuの靴は年末に買ってあげたし、バッグはその前にCELINEを買ってあげた。なぜまたカバンをおねだりされなければいけないのだろうか。1月4日は ...

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ー第12章ー 地獄を楽しむ?

2025/8/27

君の名は。  息子みーとくんの身代金100万円をサイコに支払ったことで、妻サイコからみーとくんの写真や動画が毎日送られてくるようになった。まだ会うことは叶っていないが、大きな一歩である。  忙しすぎる占い師スピ子にメールするのはもうやめようと誓ったのに、身代金を支払う前に私はスピ子にメールを送った。なんだかんだ言って、私もスピ子に多少なりとも依存しているのかもしれない。「裏に入るから仕方ない時期。自我をなくし地獄を楽しみミートを救うか、離婚で自由か、2択だけだから」というアドバイスをスピ子からもらった。 ...

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ー第11章ー みーとくん身代金事件

2025/8/27

私は何も悪くないです  私の妻サイコはみーとくんを連れて神奈川県の実家に帰ったようだ。私はサイコに嫌われた上に、お父様とお母様と妹のバリ子を敵に回してしまった。八方塞がりである。スピ子が言っていた「みーと奪われるよ」という状況になってしまった。バリ子が夫婦喧嘩相談のためサイコのいる台東区をアポなし訪問したのが10月30日。それからわずか1週間で、バリ子の計画通りにみーとくんを奪われてしまった。バリ子はみーとくんを養子にしようとしているのか、あるいはサイコがシングルマザーになる気なのか。魂胆はわからないが、 ...

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